卜伝 最後の旅 / 池波正太郎

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Amazon.co.jp: 卜伝最後の旅 (角川文庫) 電子書籍: 池波 正太郎: Kindleストア

国の剣客を相手に勝利をおさめた戦国時代の剣豪塚原卜伝は、一度も不覚をとることなく、敵を討ち取ること二百余人に及んだという――この卜伝が武田信玄の招きを受けて甲斐の国を訪れたのは、71歳の老境に達した春だった。ここで、六尺豊かな大男の薙刀使いの名人に最後の試合を申しこまれたが…。枯淡の境地に達した剣豪卜伝を描いた表題作ほか、南部藩で鬼目付と呼ばれた侍の人間的苦悩、明治維新の激動期に数奇な運命をたどる青年剣客等、多種多彩な人間と時代を取りあげた著者会心の歴史小説集。

歴史上の人物の生涯を描く短編集。

表題作の「卜伝最後の旅」は、歴史に名を残す剣豪である塚原卜伝が武田信玄や足利義輝と交錯する。塚原卜伝は池波正太郎の他の作品にも登場しており、作者お気に入りの人物かもしれない。

最後の「剣客山田又蔵従軍」は山田又蔵が西南戦争に参加する。西郷隆盛や桐野利秋、西南戦争は司馬遼太郎作品「翔ぶが如く」でも描かれていたが、作家によって異なる別の切り口があり興味深かった。

池波正太郎の実在人物ものとしてはかなり良かったと思う。