三体0【ゼロ】 球状閃電 | 劉 慈欣, 大森 望, 光吉 さくら, ワン チャイ |本 | 通販 | Amazon
激しい雷が鳴り響く、14歳の誕生日。その夜、ぼくは別人に生まれ変わった――両親と食卓を囲んでいた少年・陳（チェン）の前に、それは突然現れた。壁を通り抜けてきた球状の雷（ボール・ライトニング）が、陳の父と母を一瞬で灰に変えてしまったのだ。自分の人生を一変させたこの奇怪な自然現象に魅せられた陳は、憑かれたように球電の研究を始める。その過程で知り合った運命の人が林雲（リン・ユン）。軍高官を父に持つ彼女は、新概念兵器開発センターで雷兵器の開発に邁進する技術者にして若き少佐だった。やがて研究に行き詰まった二人は、世界的に有名な理論物理学者・丁儀（ディン・イー）に助力を求め、球電の真実を解き明かす……。
三体0というタイトルだが三体との直接的なつながりはほとんどなく良かった。主人公の陳は、両親を球電によって亡くし、自分の人生を球電にささげることに。前半はホラー風味だけど、美少女林雲と理論物理学者・丁儀(三体にも登場)により一気に謎が解き明かされていく。
読み出したら止まらなくなる面白さであることは間違いないが、林雲と丁儀のスーパーマンぶりが気になった。特に丁儀はあらゆる謎をほぼ最初から解き明かしているのではないか。
ホラー風の出だしから怒濤のSFという展開は、三体に通じるものがあり、三体入門としても読むのもいいかも。解説を読むと三体とのつながりも理解できる。
