黒猫・アッシャー家の崩壊 ポー短編集I ゴシック編 (新潮文庫) | エドガー・アラン ポー, Poe,Edgar Allan, 孝之, 巽 |本 | 通販 | Amazon
詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生はといえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられずに極貧のまま、40歳にして路上で生を終えてしまう――。 孤高の作家の昏い魂を写したかのような、ゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録する。
エドガー・アラン・ポーの作品集は複数の出版社から出版されていて、それぞれ特徴が異なる。新潮文庫版の訳者は巽孝之氏で、テーマごとに作品がまとめられている。全集ではないが有名どころは抑えているらしい。
1つめはゴシック編。
以下の作品を収録。
- 黒猫
- 赤き死の仮面
- ライジーア
- 落とし穴と振り子
- ウィリアム・ウィルソン
- アッシャー家の崩壊
(以下ネタバレあり)
一番面白かったのは「赤き死の仮面」かな。「赤き死」と呼ばれる疫病が猛威を振るう中、絶対安全な城の奥深くに王や臣下が引きこもる。恐怖を忘れるため日々享楽にふけるも、仮面舞踏会のさなかどこからかあらわれた仮面の男(発病済み)によって全滅してしまうというもの。
彗星衝突に備え地下深くのシェルターに避難した金持ちがなんらかの見落としで全滅してしまうというような、地球滅亡デザスターものを思い出した。ロケットで宇宙に脱出でもいいけど。
「落とし穴と振り子」はしつこい描写がよく、名前だけ知っていた「アッシャー家の崩壊」を読めてよかった。